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消化器

猫のコクシジウム症

猫のコクシジウム症は感染した猫の糞便中に排泄されたオーシストが環境中で発育しそれを口から摂取することで感染します。またそれ以外にも環境中のオーシストをネズミなどが摂取し、これを猫が捕食することでも感染を成立させます。このように経口感染したコクシジウムは小腸で増殖し、下痢などの症状を引き起こします。コクシジウム症の発生は子猫でより一般的で、成猫は症状が現れないこと(不顕性感染)もあります。

集団で飼育されている環境で下痢などの消化器症状を示している子猫はコクシジウム症を疑う必要があります。診断には浮遊法を用いた糞便検査でコクシジウムのオーシストを確認します。

コクシジウムに感染しても重症化することは少ないですが、重症化してしまった場合などは輸液などの対症療法が必要になることもあります。治療には糞便へのオーシスト排泄を停止させ、臨床症状を改善させるために駆虫薬を使用します。また環境中のオーシストの汚染防止には70℃以上の熱湯や高温のスチームで処理していくことが有効です。

下痢の子猫の便を浮遊法を用いて検査しました。

顕微鏡で確認すると大量のコクシジウムのオーシストが確認されたため駆虫薬を処方しました。