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猫伝染性腹膜炎

猫伝染性腹膜炎 fip

猫伝染性腹膜炎(FIP)とは?

▶病態

FIPは猫腸コロナウイルスという弱いウイルスが突然変異し、強毒化した猫伝染性腹膜炎ウイルスになることで発症します。多くは1歳未満の子猫で発生し、突然変異の原因ははっきりとされていません。

▶症状

FIPは胸水や腹水が溜まってしまうウェットタイプ、色々な臓器に肉芽腫をつくるドライタイプの大きく2種類に分けられ、どちらのタイプになるかは免疫反応の違いが関係していると考えられています。ただし必ずしもどちらか一方のタイプになるわけではなく最初はドライタイプで後にウェットタイプになる場合や、ウェットタイプとドライタイプの両方の特徴を示す症例も存在します。FIPを発症すると多くの猫で発熱、食欲不振、成長不良などがみられ、その他にブドウ膜炎(目の濁り)、黄疸、下痢や嘔吐、けいれんなどの神経症状を引き起こすことがあります。

▶診断

FIPを1つの検査で正確に診断することは難しく、詳しい問診、血液検査、画像検査、PCR検査など複数を組み合わせ総合的に判断する必要があります。

<血液検査>
血液検査では貧血や白血球の増加、高タンパク血症、炎症マーカーであるSAAの上昇などが多くの症例で認められます。


<画像検査>
ウェットタイプでは胸水や腹水が認められます。またドライタイプでは腹腔内にしこりのようなものが確認できる場合があります。


<PCR検査>
腹水や胸水を採取しPCR法を用いることでコロナウイルスを検出することが可能です。腸管や糞便以外からコロナウイルスが検出される場合FIPである可能性が高いと考えられます。

▶治療

これまでFIPは有効な治療法が確立されておらず、発症するとほぼ100%が亡くなってしまう病気と考えられていました。しかし近年、一部の薬がFIPに対し高い有効性を示す論文が発表され、当院でもその薬を使用することで回復していった症例を経験しています。
FIPと診断されてもそこで諦めるのではなく、回復へ向けた前向きな診察を当院は心がけております。FIPの治療に関して詳しい説明をご希望される方は是非ご相談ください。