症例 CASES
生殖器
包皮を用いた猫の会陰尿道瘻(手術の写真があります)
繰り返す尿道閉塞のため、包皮を用いた会陰尿道瘻を行った猫の症例です。
雄猫の尿道の遠位は細くなってるため、尿路結石などが詰まりやすくなっています。
尿路結石による尿道閉塞は腎機能の悪化や、炎症を引き起こすことにより尿道の狭窄を引き起こしてしまう可能性があります。
今回行った会陰尿道瘻は尿道が細くなっている遠位陰茎部を切断し、拡張させた尿道と包皮を縫合しました。
この術式では包皮と尿道を縫合することで膀胱炎や尿道開口部の閉塞リスクが軽減されます。

陰茎を牽引し包皮粘膜と陰茎との境界を確認しています。

包皮粘膜を陰茎との境界で切開を加えていきます。切り込みすぎないように注意しながら行っています。

黒丸で囲った部分が尿道と包皮粘膜を縫合した部分になります。尿が漏れないように細かく塗っていきました。

抜糸直後の様子です。退院後も皮下の腫れや尿漏れなどはなく経過は良好です。包皮を温存しているため、見た目の変化もほとんどないこともこの術式のメリットです。